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転勤族×ずぼら×読書好きなママ👩

むかし僕が死んだ家

むかし僕が死んだ家

著 東野圭吾

【あらすじ】

かつての恋人が父の遺品である鍵を持ってきた。その鍵は長野の山奥にある屋敷のもののようだ。幼き頃の記憶をなくした恋人、時間が止まった屋敷、張り巡らされた伏線が回収されていくのが気持ち良い。

悲しく切ないミステリー。

 

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)

 

 

ネタバレを少し含みます。

自分が死んだ家に心当たりがある人はいるのだろうか。

主人公は義理の両親に育てられた家を自分が死んだ家と表現し、恋人は幼き頃に住んでいた家をそう表現した。

 

私は転勤族だったので転勤の度にリセットしている感覚があった。その時代を生きた自分を置いてくるようなもの。

昔の友人に会うこともあるけれど、何を話したらいいのか分からなくなる感覚があった。

その感覚と似ているのかもしれない。

自分の根幹はずっと変わらないけれど、その環境に適応するように調整してしまうので微妙にキャラクターが違う。

 

小さい頃は少しいい子を演じた。

そうすることでうまくいくことが多かったから。

でも苦しくなったり、自分の意見に蓋をしすぎてわからなくなることが多くなり、

大人になるにつれ、無理に取り繕うことをやめた。

できないことはできないと開示することは、自分も周りも楽になる。

 

いい子の自分が死んだ家は私にもあるかもしれない…